南米のアマゾン川やオリノコ川に生息する電気ウナギは、発電魚の中で、もっとも強い電気を出す魚として有名です。体の80%近くを占める尾の前部には大発電器官が、後部には小発電器官があります。大発電器官は起電力が800V位あり電撃でエサとなる小魚などをとったり身を守ったりします。小発電器官は起電力が20V位あり周囲の状況を知るためのレーダーの役目をしています。いずれの放電も頭側がプラスで、1000分の1秒位のパルス状の放電を数回ないし数十回繰り返します。このように、大変面白い生態をしているデンキウナギですが、残念ながら実際に放電を人間の目で見る事は出来ません。 当館では、「電気ウナギの放電表示システム」を使って、電気ウナギを展示し、放電の様子を詳しくわかりやすく展示しています。これによって、大小発電器官の位置、極性、電位分布、電圧波形、ピーク電圧、発生の間隔等がわかります。システムの概略は次の通りです。電気ウナギの水槽の底には、等間隔で16×32=512個の電極が、又水槽上部には下向きにビデオカメラが設置され、これらはコンピューターに接続されています。電気ウナギの放電を感知すると、ビデオカメラの映像を静止画とし、この上に電位分布を重ねて表示します。この電位分布は、水槽の底を補間の架空電極を含め31 ×63=1953のブロックに分け、電圧波形のピーク時の各部の電位を10段階に色分けしてモザイク状に表示します。又同時に電圧波形とピーク電圧も併せて表示します。これとは別に1日の放電回数のタイムテーブル(開館から現時刻まで)も表示します。 良くある質問 電撃を与えるには電力を効率よく外部に伝える必要があります。電気ウナギの内部抵抗(インピーダンス)は電気ウナギからみた生息水のインピーダンスに等しいときに最大電力を供給できます(高校の物理の起電力と内部抵抗の関係)。このときの測定電圧は起電力の半分の電圧になります。
「電気うなぎで実験しよう!」
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