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2013.10.06 タケノコ獣医のひとりごと

こんにちは。
 
タイトルは、とある水族館の獣医さんのブログの名前をお借りしました笑
学生時代そのブログの中で、「水族館獣医の仕事は、飼育員あってのもの」という言葉を教えてもらいました。
 
「水族館獣医は飼育員がいないと仕事ができないよ」という意味です。
水族館に入って以来、それを分かっているつもりでしたが、今日初めてその言葉の本当の意味が解り、その重みを感じたように思います。
 
みなさんご想像の通り、水族館獣医の仕事のメインは動物の健康管理と治療です。マリンピアには、小さいものも含めると、ざっと5000を超える生き物がいて、とても僕ひとりでは面倒を見切れません。
 
しかし水族館には必ず、その生物担当の「飼育員」がいます。
常日頃の健康チェックは飼育員がしてくれます。
 
それでも時に調子を崩す動物はいます。そんな時は僕の出番ですが、治療となると必ず担当の飼育員がそばについていてくれます。時には保定(動物が動かないように押さえること)をしてくれたり、処置のサポートをしてくれます。
それによって動物も、そして僕自身も安全に、注射をしたり検査をしたりすることができます。
 
写真は、今日僕の代わりにオタリアの膣粘液を採集してくれたトレーナーのメモと、その粘液に染色を施したプレパラート。
 
それを顕微鏡で見て、診断をするのは僕の仕事。
でもそれを診断できる状態にしてくれているのは、他ならぬ飼育員(と採取を我慢してくれた動物)たちです。
 
感謝。
 
治療するのは獣医「だけ」ではなく、飼育員も一緒。
同じゴール、「動物を元気にすること」に向かって、二人三脚で頑張るわけです。
 
・・なのにそんな最中、時に僕は獣医としての立場でしかものを考えず、本当の治療ではなく単なる担当者への「押しつけ」をしていたことが多々あるように思います。
 
飼育担当者と動物への感謝の気持ちは忘れず、タケノコのように高く伸びていける獣医になりたいです。
 
担当:田中(たなちゅう)
 
20131006タケノコ獣医のひとりごと